日常の風景
鹿児島市やその周辺には、「克灰(こくはい)住宅」と呼ばれる住宅が数多く見られます。軒を深く 出し、窓には灰よけの網戸を二重に張り、ベランダには灰を洗い流すための水道栓を備え付ける―― これらは全国共通の建築基準ではなく、桜島の降灰と何十年も付き合ってきた鹿児島県が、独自に 補助制度まで設けて普及させてきた、この土地固有の生活の知恵です。市内には灰を集めて捨てる ための「克灰袋」という専用のごみ袋があり、指定された「克灰袋回収場所」に出せば、行政が 回収してくれる仕組みまで整っています。
ギネス認定・その1
桜島の火山灰が積もってできた水はけのよい土壌で育つ桜島大根は、直径が40〜50cmに達することも 珍しくない巨大な品種です。一般的な青首大根の10倍以上ともいわれる重量に育ち、1994年には 鹿児島市で開催された「世界一桜島大根コンテスト」で、重さ31.1kgの大根がギネス世界記録に 認定されました。この記録を目指す「世界一桜島大根コンテスト」は今も毎年開催されており、 地元農家が丹精込めて育てた規格外の大根を競い合っています。
ギネス認定・その2
同じ桜島の畑では、直径わずか3〜4cmほどしかない極小の柑橘、桜島小みかんも栽培されています。 一般的な温州みかんよりひとまわり以上小さいこの品種は、2012年に「世界一小さいみかん」として ギネス世界記録に認定されました。一つの島から「世界一大きい野菜」と「世界一小さい果物」の 両方がギネス認定されているというのは、なかなか他に類を見ない現象です。小ぶりながら皮が薄く 甘みが強いのが特徴で、地元では正月飾りに添えられる縁起物としても親しまれています。
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桜島は元々、その名の通り「島」でした。それが今のように大隅半島と地続きになったのは、 1914年(大正3年)の大正大噴火で流れ出た溶岩によるものです。この噴火で集落ごと火山灰に 埋もれてしまったのが、次に紹介する「埋没鳥居」が残る黒神地区です。桜島がたどってきた 噴火の歴史を、より大きな地質学的スケールで見ていきましょう。
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